HIV検査のあり方

利便性だけではありませんが・・・

東京の友人からの知らせで、某大学では、学内でHIV検査を実施するという。そして、これには、ACC(日本でHIV感染症の治療実績が最大の国際医療センター)の医師も関わっているということ。

エイズデーで、予防啓発と検査の案内をするのは、いいことだ。しかし、コミュニティの狭い人間関係が密である学内で検査を実施することは問題がある。

つまり、

1 「検査を受けるのはいいこと」というメリットだけが強調され、必要以上に受検を勧める(ピアプレッシャー)や友達同士で受けることにつながる可能性がある。

2 感染が確認されれば、プライバシーの侵害が起こりうる。

要するに、87年の神戸エイズニックの際に、神戸が学んだ、「HIV陽性者1人の人権とその他99人生存権」の教訓が生きていないのである。

そして、困ったことに、日本で一番多くのHIV感染症の治療をしているACCが関わっているということだ。

また、NHKや民放の取材も決まっているらしい。

取材の仕方は、慎重にということは当然なのだけれど、お気楽に多くの学生が検査に応じているところが放送されると、他の大学にも学内検査が広がりかねない。そんな流れを加速させてしまうリスクがある。

確かに、早期発見、早期治療は大事だけれど、学内検査は、

1 自主的に

2 個別的に

というHIV検査の原則を崩しかねない危うさがある。

神戸市世界エイズデーは、「HIVとともに生きる日」でありたいと思うけれど、全国的にはどうであろうか?

「歌」と「踊り」と「コンドーム配布」の3点セットだけでも困ったものだけれど、学内検査は、もっと困る。

「愛で防ぐ」も、「ウイルス撲滅」のエイズデーも困ったものだ。

ともに生きられない社会は、エイズの蔓延する社会に直結しているという教訓を決して忘れてはならない。

それを理解していないような学生のイベントは、大人がしっかり指導しなければならないはずなのだけれど...

ピアであれば、何でも効果的だと考えているお気楽な教員や医師、行政の担当者があまりにも多い。そして、陽性者が追いやられる。

学生より前に、彼らが学ばなければならないのだけれど...

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