「愛」と「撲滅」のキャンペーン

日本人は、「愛」と「撲滅」が好きなんですかね。

日本のエイズストップ・キャンペーンは、どうしても、「愛」と「撲滅」がお好きなようで、いろいろなところで繰り返し実施されます。

感染は、「愛」で防ぐのではなく、「コンドーム」で防ぐ訳で、

HIVは、現在の医学では、いったん体内に入ると排出できないですから、人間と一体です。ウイルスを撲滅すれば、同時に人間も撲り殺すことになるんですが...


何度も何度も繰り返されるこの種のキャンペーンには、正直なところもう何年同じ過ちを繰り返すのかと情けなく思います。

世界が困難なエイズ対策から学んだ、「HIVとともに生きる」ということのみが、HIVの感染拡大を防ぐということを理解できぬままに、実践してしまう現実があります。

今夜は、神戸市世界エイズデーの啓発を神戸新聞でする企画をまとめていますが、今年も、「ともに生きる」にこだわるために、慶応義塾大学教授の樽井さんにご執筆頂いています。先ほど、樽井さんから、原案が届きましたが、


「HIV感染者」は、「HIVと分かった人」

「エイズ患者」は、「発病して知った人」


という極めて優しい表記になっています。さすが倫理学の先生ですね。


みなさんもこの表記を覚えましょう。使いましょう。


つまり、「HIV感染者」は、感染源という意味になってしまう怖れがあります。「感染させられたら困る」につながります。社会防衛反応を引き起こします。治療拒否につながります。

「エイズ患者」は、検査をせず放置して、早期発見を逸した人というネガティブな要素が含まれてしまいます。自業自得につながります。

どちらも、「HIVとともに生きる」という啓発には、なじまないということでしょう。

こんなことをコツコツと積み重ねて実施する神戸市世界エイズデーイベントが、今年も行政とNGOが協働して開催されます。予防は、大事だけれど、「HIVと分かった人」とともに生きる社会の構築は、もっと大事だという神戸の方向性をしっかりと市民に広げたいと考えています。

意地の悪い人は、「神戸市は、NGOに丸投げ」と言われますが、そんなことはありません。しっかり関わるだけです。たとえ、丸投げでも、行政が暴走するよりは結果としてはましです。

今年のエイズデーのメインイベントは、メリケンパークの特設ステージで開催されますが、今年は初めて、マイミクの面ちゃんたち若者が仕切ってくれます。(私は、樽井さんの記念講演会と神戸新聞での企画広告、出版の企画・編集、執筆が担当)

エイズデーイベントに関わる神戸の若者は、「ともに生きる」を十分に理解していますから、安心して任せられます。今後の神戸市の啓発を考えると、大きな希望があります。

神戸LGBTIQプライドマーチ(名称変更を検討中)をはじめとする性的少数者の活動も、マイミクのしゅんを中心に、神戸まつりに市民として参加して、「ともに生きる」に十分配慮した活動になりました。

どうかみなさんの地域での啓発も、単なるコンドームを配って、歌と踊りで楽しむだけのものにしないで下さい。もし、行政がそんなことをしているなら、指摘し方向性を示すのも市民の務めではないかと思います。

11月28日(金)の神戸新聞朝刊をお楽しみに。神戸新聞HPからもご覧頂けると思いますので、ぜひ、ご覧下さい。

神戸市世界エイズデーは、「エイズによって奪われた尊い命を悼む日」であるとともに、「市民がHIVとともに生きることを確認する日」であり、また、「社会に存在する多くの不条理を乗り越えようとする勇気を確認する日」にしたいものです。

そういう意味では、それを市民とともに分かち合い祝う記念日にしたいと私はいつも考えています。

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