二つの伝え方

伝え方はいろいろですが . . .
性やエイズの伝え方は、本当に色々なものがあると思う。そんな中で、私が注目している二つの伝え方。みなさんは、どう思われますか?


● 射精の学習実践・高校

男と女で疑問を出し合う授業。男の子の射精を題材にした授業。知りたいことを真面目に捉えるということかな。同性愛についてもきちんと学ぶ授業になっているが、これをできる教員は少ないだろうと思う。

しかし、内容は極めて真面目な授業。子どもたちの知りたいことに教員が逃げずに向かい合っている。

http://seikyokyo.org/jissen/jissen_34.html


● ともに学び考える性 「るるくめいと」

高校生のカップルを主人公にした劇。誕生日を迎えた彼にプレゼントを渡す彼女。しかし男の子の心は、ロマンチックな気分より「セックスしたい」という気持ちで一杯。

「なあ、ええやろ」「俺を信じろや」と迫る彼。「信じてるけど」と不安な気持ちを表現し、「コンドームをつけて」と言う彼女。「コンドームなんか持ってないし、つけ方も知らん」「今日はナシでもええやん。1回だけ...」と彼はさらに迫る。

ふたりをそそのかしたり戒めたりするのが「天使」と「悪魔」だ。「悪魔」は「好きならいいやん。やっちゃえ」とけしかけ、「天使」は「好きだからこそ自分も相手も大事にして」と訴える。

この劇を見たのが、5年前。大阪府看護協会主催の研修会。私も講師の一人として参加させて頂いた。

この劇を見て、私は、担当教員に問題点を指摘させて頂いた。

それは、劇の中で、現在の高校生のリアリティがあるのだけど、「天使と悪魔」に問題があると。つまり、男の子を悪魔がそそのかしてコンドームなしのセックスを誘うという部分。当時は、「冬のソナタ」が大人気だったため、その曲が流れ、ヨンさまに扮した男の子に笑いが起こった。

しかし、このストーリーが高校生なら、さもありなんと思われる中で、これでは、HIVに感染したら、

悪魔にそそのかされた人

になってしまう。セックスは、自己決定権を養うことが大事な訳で、本来、「悪魔」の存在は必要ないものだと思う。

これも、結果として、

HIV感染者 = 悪魔にそそのかされた人 = 自業自得

あるいは、

男性 = 悪魔にそそのかされた= 自業自得

男性性 = やりたいもの = 悪

というジェンダーなどのバイアスも気になります。もちろん、レイプ、暴力が、男性性と関わっている部分もありますが、それらは、犯罪ですから、別問題でしょう。

色々な専門家が関わっているこの劇。もっときちんとHIVの現実に向かい合って欲しいと私は思うのだけど。

http://www.jinken.ne.jp/child/ruruku/index_b.html

これが、高校生→中学生へのピアエディュケーションとして実施され続けると言うならば、やはり劇の内容の検討がとても大事だと思う。

そもそも、この劇のストーリーを考えると、もし、悪魔にそそのかされて感染したらという点については、全く考えていないのも気になる。リアリティを考えるなら、「ともに生きる」について考えないと。

どう断るだけではなく、感染したらどうなるかを考えることもむしろ大事だと思うのだけれど。
 
 
 
フィード